『Are You Ready ?』 吉田 祐介


いよいよ最終予選初戦の北朝鮮が近づいてきた。オレたちinfinityでは昨年あたりから「W杯予選」というものを重視して、その重み、スタンスなどを数々のミーティングで議論してきた。まずは昨年の一次予選のオマーン戦から始まった。予選の重み・・・。ハッキリ言ってこの時点でinfinityにこの重みがどれほど伝わってたかは分からない。むしろオレの見解では伝わっていなかった。いや、むしろ甘かった。みんな甘かった。予選をなめてた。この最大の原因はオレ。実はみんなに「モチベーション高く行こう!」とか「予選なんだから気合入れろ!」とか言ってたオレ自身が一番甘かった。どこかで自分は昔のようなサポーターには戻れないんじゃないかと思ってた。あのアツい時代を忘れかけてた。98年フランス大会予選を戦ったオレを。

このアツい気持ちを思い出させてくれたのがinfinityのあかりだ。あかりはオレにこう言い放った。「私はinfinityのメンバーは好きですけどinfinityの応援スタンスは嫌いです」これは衝撃的だった。最初はなんでこんなことを言われなければいけないんだという気持ちもあったが、元来負けず嫌いのオレはこういうことを言われると逆に燃える。あかりを納得させるようなサポートしてやろうじゃん!って。まずここで火がついた。

次にオレに火をつけたのはZEALのしゅんちゃんである。彼は本当にアツい人間だ。ホーム側ゴール裏の中でも最も信頼のおける人間の一人である。見かけはヤクザだけど、中身はホントいい人。彼は常々オレに「まだまだ足んないんじゃないの〜?」と煽りをかけていた。しかし彼は口だけではない。本当に有言実行の男だ。誰もが嫌がるような面倒くさいことも進んで実行する。そんな彼の真摯な姿勢を見ていたら、「オレも戦わなくちゃ!」という気持ちが沸々と湧いてきた。そしてしゅんちゃんがよく言ってる「オレはフランス大会予選のサポートがどれほどすごかったか知らないけど、気持ちだけは絶対に負けねぇ」って言葉がさらにオレを刺激した。フランス大会予選を戦った者として、オレも負けねぇ。しゅんちゃんにはライバル心さえ最近感じる。本当にいい仲間だ。

そして最後はinfinityのみんなの姿勢だ。明らかにみんな変わってきている。変わろうとしている。そんな気持ちがオレを揺り動かした。シリア戦ではみんなの一人一人の姿勢がオレの心を揺り動かした。来る北朝鮮戦、ハッキリ言って何が起こるかは分からない。予選には魔物が潜んでいる。とにかく戦うしかない。みんな全力で声を出せ!手を叩け!飛び跳ねろ!90分間これを続けるだけで選手に思いが伝わるなら、別に次の日に声が出なくたって、体が動かなくたっていいじゃん。ピッチに立つ選手が日本を代表する選手なら、オレらは日本を代表してスタンドに立つわけだ。サポーターも日本代表だ。

最後に、なんでこんなにアツくなれるのか。これこそがサッカーの魅力。予選一試合を迎えることでこれだけ多くのドラマがあった。オレに火をつけたヤツがいた。みんなでツラくてもこうやって力をあわせて選手をサポートするから、ゴールが入ったとき、勝ったとき、最高に嬉しいんだ。これで予選突破してW杯出場決まったら最高じゃん。涙は最後まで取っておこう。絶対に勝とう。勝って泣こう。



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